〔考える力は幸せに導く〕
考える力の実体
前回は、私たちが生きていく上で本当に必要な国語力は、人々を幸せに導く『考える力』、そしてそれを形づくる『言葉を使う力』だというお話をしました。
今回は2つのうち、『考える力』について見ていきたいと思います。
新しい知識との出会い
私たちは物心がついてからこれまで、毎日のように新しい知識と出会っています。
誰かと話していて知ったこと、ネットサーフィンで出会った知識、テレビ番組で耳にした話題等々。
でも、ただ聞いたり、読んだりしただけだと、無意識には蓄積されているかもしれませんが、意識の上で活かすことができません。
考える力あってこその知識
得た知識を自分なりに解釈したり、そこから発見をしたりして、生活に生かすこと、それが『考える力』だと思います。
そのためには、知識を取り入れ理解する力、理解したことをこれまで蓄積した知識や経験と繋げる力が必要になります。
考える力はどう活かされるか
例えば、今日、私の住む八女市では
「竹の花が咲いた」
というニュースが流れました。
何も考えなければ、
「ふうん、竹の花が咲いたんだ」
で終わってしまいますが、そこで少し考えてみます。
知識からの展開
- 竹の花は60年から120年に一度しか咲かないという知識があれば、それは「珍しい!」
「見に行きたい!」
と思うでしょう。 - 竹の花が咲くと不吉なことが起きるという言い伝えを知っていれば、
「今から何か起きるかもしれない」
「自然災害だろうか、経済的なものだろうか」
と想像することができます。 - 多くの種類は花が咲いた後、地上に出ている部分が枯れるということを知っていれば、
「伝統工芸の竹細工に影響はないのかな?」
という疑問が出てきます。 - 植物の性質を知っていれば、
「開花するということは新しい竹林ができるということ?」
「それはどんな風景になるんだろう」
と予測することができます。 - 竹の花に興味をもって検索すれば、今、日本各地で竹の花が咲いていることを新たに知ることができ、
「どうして一斉に咲いているのだろう?」
「前にも一斉に咲いたことがあったのかな?」
などと疑問をもち、さらに追求することができます。
こうして、意外なところから日本の産業や、経済の歴史を知ることになったり、竹をもっと身近に感じたりすることができるようになります。
こうして考えることで、知識はどんどん広がっていきます。
今回は知識や情報を得ることについて書きました。次回は、考えたことを表現する力について、みていきたいと思います。