〔表現する力〕
私たちが生きていく上で本当に必要な国語力は、人々を幸せに導く『考える力』、そしてそれを形づくる『言葉を使う力』だと私は考えています。
前回はそのうち『考える力』について、特に情報収集をして理解し、蓄積した知識や経験と繋げるということを書きました。
アウトプットしないともったいない
今回は自分の頭に落とし込んだ知識、情報を表現するということを考えたいと思います。
せっかく得た知識、情報も、学びっぱなしにしてはもったいないですね。
それを自分の仕事に活かしたり、人に伝えて役立ててもらったりしてこそ、収集した甲斐があるというものです。
相手に合わせた表現を
私の場合はセミナーなどに盛り込んで口頭でお伝えしたり、ブログやメルマガに書いてお伝えしたりします。
いずれも、伝えたい相手に合わせたテーマに沿った形で表現する必要があります。
例えば、前回例に挙げた『120年に1度しか咲かない竹の花が咲いた』という情報で、もう一度考えてみましょう。
- 伝える相手が植物やお花自体に興味のある方であれば、どんな花弁でどのように咲いていたかを話し、撮ってきた写真を見せるでしょう。
- 精神世界に興味のある方であれば、120年に1度しか咲かない花が咲いたことにどんな意味があるか、一緒に考えるかもしれません。
- 経済に詳しい方や伝統工芸に関わる方が相手なら、竹林が一斉に枯れてしまうことを伝え、竹細工に影響がないかなど話し合うでしょう。
- 歴史に興味のある方に向けて発信するのであれば、前回お花が咲いたのはどんな時代だったか、現在との共通点はどこか、などを伝えるかもしれません。
人に伝わる表現をしようと思えば、こうして様々なことを考える必要があります。それが、思考力を身につけることになるのだと考えています。
伝達手段としての言葉
情報を受信する時にも発信する時にも(伝達手段が話し言葉であっても書き言葉であっても)、そこには言葉が必要です。
自分が感じたことを表現するだけであれば、絵や音楽などを用いることもできますが、具体的にコミュニケーションをとり合おうと思ったら、そこには言葉が介在します。
ということで、次回は『生きていくために必要な国語力』のうちのもう一つ、『言葉を使う力』についてみていきたいと思います。